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錠剤と葉

高確率で避妊をしたいならピルが良い、というのは誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
コンドームでは外れたり破れたりと比較的失敗率が高いのに対し、ピルは感染症予防こそ出来ないものの、避妊に関してはほぼ確実に効果が得られると言われています。
しかし日本ではまだ普及率がさほど高くなく、ピルに関して知識がない人も多いです。
自分の体とピルについて知り、自分に合った種類のピルを服用することで快適で安心した生活を送ることが出来ます。

ピルの種類はどのようなものがある?

ピルと一口に言っても種類はさまざまです。
ピルには黄体ホルモンなどの女性ホルモンが含まれており、その量によって中用量・低用量があります。
一般的に避妊目的で使われているのは体に負荷がかかりにくい、低用量ピルです。
毎日決まった時間に服用することで体内の女性ホルモンをコントロールし、避妊効果を得ることが出来ます。
これは発売時期や成分によって4つの世代に分かれます。

第1世代の低用量ピルは「ノルエチステロン」という黄体ホルモンが使われています。
これは作用が弱いので、それを補うために頭痛や吐き気など副作用の起こりやすい卵胞ホルモンが多く含まれています。
ニキビや体重増加などの男性化症状が少ないのがメリットです。
「ルナベル」などはこの世代です。

第2世代は「レボノルゲストレル」という第1世代より強い黄体ホルモンが使われています。
卵胞ホルモンは減らせたものの、男性化症状が出やすいのが特徴です。
「トリキュラー」などが代表です。

第3世代のピルには「デソゲストレル」という黄体ホルモンが使われています。
第1世代と第2世代それぞれの副作用を抑えたもので、「マーベロン」などが代表的です。

第4世代に分類されるのは「ドロスピレノン」という黄体ホルモンが使われているピルです。
超低用量ピルとも呼ばれ、体内で分泌される黄体ホルモンと近い特徴のため、さらに副作用が軽減されています。
「ルナベル」「ヤーズ」が代表です。

中用量ピルはホルモンの量が多いために体にもより負荷がかかります。
生理の予定日をコントロールするのに使うこともあり、また避妊に失敗した際の緊急避妊薬としても処方され、これはモーニングアフターピルと呼ばれています。
性交後72時間以内に服用すると、排卵を抑制し出血を促してくれるので強制的に妊娠しにくい状態に体を変えてくれるのです。

避妊におけるピルの効果について紹介

ではピルによってどれだけの避妊効果が得られるのでしょうか。
コンドームでは一般的な使用方法で失敗率が18%と言われています。
挿入の前に破れないよう装着し、射精後は速やかに処理をするという正しい使用方法でも、失敗して妊娠する確率は2%ほどあるそうです。
対して低用量ピルは99.9%避妊出来ると言われており、毎日決まった時間に飲むことでほぼ100%の効果が期待出来ます。

ピルはそこに含まれている女性ホルモンによって、妊娠中と同じような状態を作り上げます。
そうすると脳はだまされて排卵を抑制するよう指示を出してしまうのです。
そもそも排卵が行われないので、精子が体内に入ってきても受精は不可能になります。

ただ、低用量ピルを服用していても避妊失敗してしまう例として多いのは、飲み忘れや他の薬との飲み合わせなどです。
風邪薬などは問題ないとされていますが、アレルギーの薬などの中にはピルの効き目を減らしてしまうものもあるので注意が必要です。
アルコールはピルの効果を直接邪魔することはないのですが、酔って飲み忘れたり、吸収されないうちにお酒と一緒に吐き出してしまったりするともちろん効果が得られません。
また、服用し始めてすぐには効果があらわれないので、最初の一週間は他の避妊法と併用すると良いでしょう。

後から服用するタイプのアフターピルに関しても、平均して成功率は約80%ほどあります。
性交後時間が経つにつれ成功率は下がりますが、12時間以内の服用で95%、24時間以内の服用で90%以上の確率で避妊に成功することが出来ます。
タイミングによって、すでに排卵した後の服用などでは妊娠してしまうこともありますので、排卵日翌日や当日の性行為は要注意です。
とはいってもアフターピルは排卵を抑えるだけではなく受精卵が着床しにくい状態にする効果もありますので、避妊失敗が分かり次第出来るだけ早く服用することでより高い確率で避妊を期待出来ます。

日本と海外におけるピル普及率について

日本女性の妊娠のうち、約3分の1は望んだ結果ではないと言われています。
中絶という道を選ばないために確実に避妊することは非常に大切なのですが、海外に比べ日本ではまだまだピルが普及していないのが現状です。
ヨーロッパでの普及率は約30%と高く、特にドイツでは半数を超える人がピルを服用しているのですが、日本におけるピル普及率はなんとわずか3~4%程度だそう。
先進国の中ではかなり遅れていると言わざるを得ません。

日本で普及率が低いのには、ネガティブなイメージがついてしまっていることが大きいかもしれません。
実際には避妊だけではなく、激しい月経痛や過度の出血などを伴う月経困難症の治療として有効ですし、月経周期の乱れを整えてホルモンのバランスを良くすることも大きなメリットです。
特にスポーツをしている人や忙しく働くキャリアウーマンにとっては、自分の月経周期を正しく把握出来ますし、継続することで出血量も減るので有用性が高いと言えます。
しかし、太ったり肌荒れが出たりというような副作用が強いイメージが大きいためになかなか踏み切れない、あるいは、婦人科を受診しないと処方してもらえないことへの煩わしさや抵抗が日本女性をピルから遠ざけてしまっているのかもしれません。
今主流になっている超低用量ピルでは昔と比べて副作用はほとんど見られませんので、安心出来ます。

海外のピル普及率の高いところでは、処方箋なしでお店でアフターピルが買えたり、子供達への性教育の中でもっとも確実な避妊としてピルの服用が勧められていたりします。
ごく身近な当たり前の選択肢としてピルが用意されている環境だからこそ、高い割合で普及しているのでしょう。

ピルに保険は適用される?

じゃあ実際飲んでみようかな…とは思っても、どのくらいのお金がかかるかは気になるところです。
毎日服用するものですから、費用は大きなポイントです。
お医者さんで処方してもらうものだし、健康保険が適用されれば少しはお得になるかもと期待したいところですが、避妊目的でのピルの購入は原則自由診療扱いなので保険適用外です。
病院によって販売額は異なりますが、およそ1ヶ月分3,000円から4,000円くらいで、10割自己負担で払う必要があります。

初めて処方してもらう際には、薬を服用しても安全かどうか確かめるため検診を行います。
特にピルを飲むことで血栓症という副作用が出る可能性があるのですが、事前の検診で血栓症にかかりやすい体質かどうかを調べたりします。
こちらも病院によって値段はまちまちですが、一万円前後かかり、保険は適用されません。
数ヶ月分まとめて買うこともあるので、初期費用は大目に用意していた方が良さそうです。

ただし、保険適用が認められるケースもあります。
著しい生理不順や、激しい生理痛、異常な出血量など、治療が必要と認められ、その治療薬として低用量ピルが処方される場合などは、通常の診療と同様、自己負担額は3割のみです。
こちらはお医者さんによって判断が分かれるかもしれませんが、毎月の月経に困難を感じている方はその旨を伝えてみると良いかもしれません。
治療として処方されたものでももちろん避妊効果を得ることが出来ます。

多くの場合では保険が適用されず、年単位で見るとかなりの費用が必要になります。
どうしても費用を抑えたい、という場合は通販で個人輸入して安く販売しているところを見つけてそこから購入することも出来ます。
通常より手間も掛からず安く抑えられますが、医師の処方箋なしということで結果に関しては自己責任です。

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